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第1章 小型船舶の船長の心得及び遵守事項の要点まとめ(教則ダイジェスト)
対象免許:1級・2級・特殊小型。この章の12節・要点115本を、課ごとに並べています。
最終更新:2026年10月3日
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本ページは国土交通省「小型船舶の航行の安全に関する教則」の内容をもとにした非公式の要点整理です。
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この章の目次
- 第1課 水上交通の特性(4節・要点39本)
- 第2課 小型船舶の船長の心得(4節・要点37本)
- 第3課 小型船舶の船長の遵守事項(4節・要点39本)
第1課 水上交通の特性
1-1 陸上交通との違い
- 水上では、波やうねり、潮流や川の流れなどで水面が絶えず動いており、外力の影響で簡単に進路が変わる。
- 水上で気象や海象が悪化した場合は、絶対安全といえる対策はなく、避難できるところまで自力で航行しなければならない。
- 水上は原則として速力の制限がないため、どこを航行する場合でも周りに迷惑のかからない安全な速力が求められる。
- 水上にも信号や標識はあるが、陸上と比べ数が少なく、沿岸付近にしかない。
- 水上では基本的に走るところを自分で決めなければならず、360度全方向からの危険がある。
- 船は右側通航が原則であり、これは万国共通である。
- 水上では水面下の暗礁や障害物が見えにくく、夜間は水面の障害物でも非常に見えにくいため、事前の水域調査や情報収集が重要である。
- 水上では故障や事故を起こしたことを誰にも気づいてもらえない可能性があるため、通信手段は必要不可欠である。
- 水上にある船舶は陸から孤立しているため、非常事態が発生した場合は基本的に自分自身で全て対処しなければならない。
- 水上は陸上のように利用区分が明確になっておらず、様々な人が同じ水域を利用している。
1-2 水域利用者の特性及び注意事項
- 海水浴場など遊泳区域には近づかず、やむを得ず近づくときは速力を十分に落とし、周囲をよく見張りながら接近する。
- ボートから遊泳者等は見つけにくいため、いるのではと疑問を感じたら、ただちにエンジンを中立にし、安全が確認できるまで発進させない。
- ボードセーリングや手漕ぎボートを見つけた場合は、できるだけ離れて航行し、やむを得ず接近するときは速力を落とし、引き波を立てない。
- 大型船の船首前方には、船首の陰となる大きな死角がある。
- 大型船の側面に近づくと、吸引作用が働いて吸い寄せられることがある。
- 港内などの狭いところ以外では、大型船はゆっくり走っているように見えても、スピードはモーターボートと変わらないものがある。
- 漁船は操業中、操縦性能を制限する網、縄その他の漁具の影響により、操船が不自由である。
- 帆走しているヨットは、大きな帆が死角を作り、接近する他の船舶が見えない場合がある。
- 水上オートバイは水の抵抗によって減速・停止し、プロペラを反転させて急停止することはできない。
- 水上オートバイは転覆することを前提に設計されており、転覆しても簡単に復原できる。
1-3 漁業に関連する注意
- 潜水漁業の操業中の船はほとんど動かず、潜水中を示す旗(A旗)を揚げている場合がある。
- 定置網の魚を誘導する垣網は数百メートルに及ぶ場合があり、網から多数のアンカーロープが出ている。
- 刺し網・はえ縄・蛸壺の漁法はいずれも、目印のブイや旗竿が間隔を置いて水面に複数浮かんでいる。
- 底引網漁業・船引網漁業で2隻で網を引く場合は並んで航行し、網を引くロープは水面下の後方にかなりの距離まで伸びている。
- 引き縄釣漁業の引き縄の長さは40〜50メートルかそれ以上あり、ほとんどが表層に浮いている。
- まき網漁業は、魚群を発見すると、2隻(まれに1隻)の漁船が魚群を網で包囲して捕獲する。
- 漁業権は、都道府県知事(一部の漁場では農林水産大臣)の免許で設定された水面で、特定の漁業を一定期間、認められた者のみで営む権利である。
- 漁具が設置されていない水面であっても、漁業権が設定されている場合がある。
- 漁業権の対象になっている水産動植物を採捕すると、罰則の対象となる場合がある。
- 湖や川などの内水面でも、特定の水産動物が漁業権の対象になっている場合がある。
1-4 船舶事故の発生状況
- 海上保安庁が認知した船舶事故のうち、約8割が20トン以下の小型船舶である。
- 小型船舶による事故のうち、プレジャーボートによるものが全体の約5割を占める。
- プレジャーボートの運航不能(機関故障)は毎年200隻程度発生しており、減少に至っていない。
- 夏季になると水上オートバイの船舶事故が増加し、特に経験が浅い操船者による事故の割合が高くなっている。
- 運航不能(機関故障)は故障箇所別に燃料系、電気系、軸系、冷却水系の順に多く、発航前検査や点検整備で防止できる可能性のあるものが多い。
- 乗揚は浅瀬や海苔網、定置網に乗揚げており、その原因の多くは水路調査不十分や見張り不十分である。
- 衝突・単独衝突の原因の多くは、見張り不十分や操船不適切である。
- 操船不適切には、衝突の危険がある船に気付きながら、相手船の避航動作に期待してそのまま航行した例がある。
- 操船技能不足による事故は水上オートバイに多く、転覆後に自力で復原できず漂流するものが発生している。
第2課 小型船舶の船長の心得
2-1 船長の役割と責任
- 船長は、船舶の運航や安全管理などすべてに対して責任を負う小型船舶の最高責任者である。
- 免許保有者が複数いる場合は、誰が船長なのかを出航前にはっきりと決めておく。
- 小型船舶の海難事故は、出航前の様々な準備不足が間接的な原因となっている。
- 危険な状況を乗り切ることも船長の責任であり技量だが、危険を事前に回避することのほうがより重要である。
- 船長の最も基本的な責任は、航海を安全に成し遂げることにある。
- 同乗者がゴミを捨てて海を汚したり、無免許の同乗者に操縦させて事故を起こした場合、その責任はすべて船長にある。
- 事故を起こしたとき船長が負う責任には刑事責任と民事責任があり、行政処分を受けることもある。
- 事故による行政処分には、免許の取消し、業務の停止(期間は1ヶ月以上3年以下)、戒告がある。
- 事故の相手がある場合は民事事件となり、船長は被害者に対して民法に基づく損害賠償責任を負う。
- 船舶検査証書又は臨時航行許可証の無い船舶を航行させた場合は、船舶安全法関係の違反として処分を受ける。
2-2 マナー
- 狭い水域や小さなボートなどがいる場合は、引き波が立たない速力に減速する。
- 定置網や養殖場には近づかないようにし、目印のブイ等を発見した場合は、早めに十分な距離をあけて避ける。
- 航行中の小型船舶は、操業中の漁ろう船の進路を避ける必要がある。
- 漁ろう船は、操縦性能を制限する網、なわその他の漁具を用いて漁ろうをしている漁船で、船尾から漁具が海中の広範囲に投入されていることがある。
- ミニボートは長さ3m未満かつ推進器の出力が1.5kW未満の船舶で、免許・検査・登録が不要だが、転覆・浸水しやすく近づかない。
- 遊泳者等に対し小型船舶は圧倒的な大きさや馬力を有し、低速で衝突しても大きな人身事故となり、特にプロペラは刃物と同じで危険である。
- 錨泊している船舶、作業船あるいは工事区域には近づかない。
- A旗は「私は、潜水夫をおろしている。微速で十分避けよ」を意味する国際信号旗である。
- B旗は「私は、危険物を荷役中または運送中である」を意味する国際信号旗である。
- 小型船舶操縦士の免許によって航行できる水域と船舶検査証書の航行区域とは、必ずしも一致しない。
2-3 安全な航行をするための船長の心得
- 近くを航行するときや航行経験のある水域を航行する場合でも、必ず航海計画を立てる。
- 何かあった場合の対応案として、係留・避難・エンジン修理・物品購入・燃料補給ができる場所を考えておく。
- 航海計画は、必ず家族やマリーナ・所属先などに連絡しておく。
- 気象情報は、テレビ、ラジオ、新聞、電話(市外局番+177番)、インターネットなどを利用して集める。
- 携帯電話は通話可能範囲を確認しておき、海上保安庁の緊急通報用電話番号は118番である。
- 最大搭載人員の算定では、1歳未満は算入せず、12歳未満の子供は2名で定員1名に換算する(国際航海するものを除く)。
- 水上では、航行中、錨泊中を問わず、見張りが最大の安全対策である。
- 航行中に天候が悪化しそうになれば、目的地に向かう途中でもただちに帰るか避難するなど、安全を第一に判断する。
- 体調の悪い人がいる場合は、出航を中止するか、体調の悪い人は陸に残して出航するなど適切な判断をする。
- 帰港後は、出港届を出したマリーナなどに帰港届を提出し、出航前に連絡した所にはすべて帰港の連絡をする。
2-4 事故が起きた時の対応
- 事故を起こしたら、慌てず落ち着いて、落水した者やケガ人の有無・程度など人の安全確認を第一に行う。
- 船から落水した場合は、浮くものにつかまるなど浮力の確保に努め、できるだけ泳がず、落水した場所で救助を待つ。
- 通信できない場合は、遭難信号を行い、付近を航行中の船舶に救助を求める。
- 海上では海上保安庁の緊急通報用電話番号118番、湖や河川では警察に通報する。
- 救助要請の連絡では「いつ」「どこで」「何があった」などを落ち着いて伝え、特に位置は正確に伝える。
- 事故を目撃したり知ったりしたら、まず自身の安全を確保して、救助に向かわなければならない。
- プレジャーボートの保険に強制保険はなく、すべて任意保険である。
第3課 小型船舶の船長の遵守事項
3-1 船舶職員及び小型船舶操縦者法に基づく遵守事項
- 飲酒や薬物の影響などで正常な操縦ができないおそれがある状態で、小型船舶を操縦し、又はその状態の者に操縦させてはならない。
- 港則法の港の区域内、海上交通安全法の航路の航行時、特殊小型船舶への乗船時は、操縦免許受有者が直接操縦しなければならない。
- 遊泳者その他の人の付近で、危険を生じさせるおそれのある速力で航行する操縦と、急回転や縫航をする操縦は禁止されている。
- ライフジャケットは、航行中の特殊小型船舶と、12歳未満の小児が航行中の小型船舶に乗船している場合に着用させる。
- ライフジャケットは、航行中の小型船舶に一人で乗船して漁ろうに従事している場合と、小型船舶の暴露甲板に乗船している場合にも着用させる。
- 発航前の検査は、燃料及び潤滑油の量、船体・機関・救命設備その他の設備の検査と、気象情報・水路情報その他の情報の収集である。
- 見張りは、航行中、漂泊中、錨泊中を問わず、その時の状況に適した手段により常時適切に実施する。
- 自身に急迫した危険がある場合を除き、衝突したとき又は急迫した危険があるときは、人命の救助に必要な手段を尽くす。
- 遵守事項に違反して違反の累積点数が一定の基準に達すると、戒告又は6月以内の業務の停止の行政処分を受ける。
- 酒酔い等操縦、自己操縦義務違反、危険操縦、見張りの実施義務違反は3点で、他人を死傷させた場合は6点である。
3-2 小型船舶の免許制度
- 一級小型船舶操縦士は、すべての水域で20トン未満の船舶(水上オートバイを除く)に小型船舶操縦者として乗船できる。
- 二級の一号限定は、湖川・一部の海域で、総トン数5トン未満かつ機関出力15キロワット未満の船舶(水上オートバイを除く)に限られる。
- 特殊小型船舶(水上オートバイ)は、長さ4メートル未満、かつ、幅1.6メートル未満であることが要件の一つである。
- 総トン数20トン以上でも、スポーツ又はレクリエーションのみに使用する長さ24メートル未満の船舶は、一級と二級(技能限定を除く)の免許で乗船できる。
- 旅客の輸送を行う小型船舶の船長になるには、小型船舶操縦士の試験合格に加えて所定の講習を修了し、特定操縦免許を取得しなければならない。
- 免許取得可能年齢は、一級・二級小型船舶操縦士が18歳、二級(技能限定)と特殊小型船舶操縦士が16歳である。
- 操縦免許証の有効期間は5年間で、満了すると失効し、5年毎の更新手続きにより有効な免許証が交付される。
- 操縦免許証の更新手続き期間は、有効期間満了日前の1年間である。
- 免許証の更新には、身体検査基準を満たし、更新講習の修了・必要な乗船履歴・特定職務への従事のいずれかを満たす必要がある。
- 小型船舶に乗船する場合は船内に操縦免許証を備え置かなければならず、他人に譲渡し、又は貸与してはならない。
3-3 小型船舶の検査及び登録制度
- エンジンを有する小型船舶は原則として全て検査の対象だが、長さ3メートル未満でエンジンの出力が1.5キロワット未満の船舶は免除される。
- 定期検査は、初めて船舶を航行させるとき又は船舶検査証書の有効期間が満了したときに受ける精密な検査で、一般のプレジャーボートは6年毎に受検する。
- 中間検査は、定期検査と定期検査との間に受ける簡易な検査で、一般のプレジャーボートは定期検査後3年目に受検する。
- 船舶検査証書の有効期間は6年であり、小型旅客船は5年である。
- 船舶検査済票は船舶検査証書と同時に交付され、有効期間は6年で、船舶の両側で外から見やすい場所にはり付ける。
- 小型船舶登録制度は所有者の所有権を登録により公証するための制度で、登録を受けなければ小型船舶を航行させることはできない。
- 移転登録は、既に登録されている小型船舶の所有者を変更することで、売買等により所有権に変更があったときに行う。
- 変更登録は、既に登録されている小型船舶の所有者以外の登録事項を変更することである。
- 総トン数20トン未満の小型船舶の検査及び登録は、日本小型船舶検査機構(JCI)が実施している。
- 国籍証明書は、小型船舶を国際航海に従事させる場合に国土交通大臣から交付を受け、船舶内に備え置かなければならない。
3-4 環境への配慮
- 缶、瓶、ペットボトル、ビニール袋などの人工物は絶対に捨てず、ゴミは必ず船内に保管して陸上に持ち帰って処分する。
- 残飯や餌の残りなどは絶対に捨てず、撒き餌は条例によって禁止されているところがある。
- 出航前に、船内にゴミ箱やたばこの吸い殻入れを必ず準備し、持ち帰って処分できるようにしておく。
- 給油で万一こぼれた場合は速やかに拭き取り、水面に油がこぼれた場合は油吸着材等で吸い取る。
- 航行中にビルジが溜まった場合は、油分が無いことを確認した後に排出し、油分がある場合は帰港してから陸上で処分する。
- 排出ガス規制に伴い、船外機や水上オートバイのエンジンは4ストロークや直噴式2ストロークのガソリンエンジンへ順次切り替わっている。
- 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律は、船舶からの油や廃棄物の排出を規制し、油の広がりを発見した場合の海上保安庁への通報義務を定める。
- 自然公園法及び自然環境保全法は、国立公園や国定公園で乗入れ規制区域を指定し、動力船の航行を禁止している。
- 環境条例では、動力船の使用禁止、夜間航行の禁止、航行禁止区域の設定、航行中の騒音規制などが定められている。
ほかの章
出典
- 国土交通省「小型船舶の航行の安全に関する教則」(https://www.mlit.go.jp/common/001179926.pdf)
上記の内容をもとに、アプリ「船舶免許ウカール」の制作者が要点を抜き出して整理したものです。国土交通省・試験実施機関が作成・監修したものではありません。
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