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第4章の1 上級運航Ⅰ(航海)の要点まとめ(教則ダイジェスト)
対象免許:1級。この章の10節・要点74本を、課ごとに並べています。
最終更新:2026年10月3日
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本ページは国土交通省「小型船舶の航行の安全に関する教則」の内容をもとにした非公式の要点整理です。
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この章の目次
- 第1課 航海計画(5節・要点29本)
- 第2課 救命設備・通信設備(1節・要点10本)
- 第3課 気象・海象(2節・要点16本)
- 第4課 荒天航法及び海難防止(2節・要点19本)
第1課 航海計画
1-1 長距離航海における準備
- 長距離航海の計画では、夜間航行は避け、早めに入港できるようにする。
- 避難港を設定するだけでなく、トラブルが発生した場合に一時寄港できる安全な港も調査しておく。
- 出航するか否か迷った時は、出航しない。
- 航行中の機関の点検は、出港後ただちに確認し、30分後、1時間後に実施し、以降1時間ごと等定期的に行う。
- 航行中は、操縦者以外にも見張り担当者を指名し、複数で見張りを行う。
- 夜間航行では、陸上の灯火と航路標識の灯火、あるいは他船の灯火が判別しにくい。
- 夜間航行では、暗礁など障害物が点在するところを昼間以上に大きく迂回して安全を確保する。
- 他船に横抱き係留する場合は、必ず許可を取ってから行い、自船のロープで係留するとともにフェンダーをあてておく。
- 係留中はできるだけ無人にしないようにし、船を空ける場合は施錠をして、近隣の船や係船場所の管理者に声をかけておく。
1-2 航海計画(海図使用)
- 変針は、基本的に、目標が正横に来たときに行う。
- 予定コースの磁針路(自差が分かっていればコンパス針路)を海図上に記入する。
- 所要時間は航行予定速力を定めて算出し、潮流等の流向・流速が分かるならばこれを勘案する。
- 全航程の距離は、各変針点間の距離を合算して算出する。
1-3 船位の測定(海図使用)
- クロス方位法では、2物標、できれば3物標の方位を測定し、位置の線の交点より船位を測定する。
- 船内の磁気コンパスで方位を測定した場合は、自差の加減が必要になる。
- 重視線を測定すると、測得したコンパス方位と海図上の磁針方位との差から自差が分かる。
- レーダーでは、2物標、できれば3物標の距離による位置の線の交点により、船位を測定する。
- レーダーによる船位測定に使用する物標は、海岸線に突出している防波堤や岬の先端部分に限られる。
- GPSなどで緯度、経度が直接得られた場合は、これを海図上に記入して船位を求める。
1-4 実航針路・速力(海図使用)
- 外力の影響を受けて実際に進む針路や速力を、実航針路及び実航速力という。
- 対地速力は陸地に対する速力で、風や潮流等に左右されて変動する。
- 速力10ノットの船舶が流速5ノットの潮流に乗って航行すると対地速力は15ノット、逆の場合は5ノットとなる。
- 対水速力は水面に対する速力で、風や潮流等に左右されず一定となる。
- 対地速力は、2つの測得船位の距離と、2地点間の航行に要した時間を測定して算出する。
1-5 音響測深機・AIS
- 音響測深機(魚群探知機)は、船底の振動子から超音波を発射し、跳ね返ってきたものを受信して海中の様子を知る計器である。
- 音響測深機は水深の測定だけでなく魚群、海底の起伏、底質の推測ができるが、水中の状況がすべて把握できるわけではない。
- 音響測深機は、後進時や荒天時などに振動子付近に気泡が入ると正確な測定ができなくなる。
- AISは、VHF帯の電波を利用して、雨や波の影響を受けずに船名、自船の位置、針路、速力などの情報を交換する。
- AISを利用すると、小型船舶は周囲の船舶、特に大型船に自船の存在を知らせることができ、衝突防止に役立つ。
第2課 救命設備・通信設備
2-1 救命いかだ・救命用通信装置・無線電話等
- 一級小型船舶操縦士の免許では、海岸から5海里以遠の海域(沿海区域、近海区域、遠洋区域)を航行することができる。
- 小型船舶用膨張式救命いかだは、船舶とともに沈没した場合、水圧を感知して自動離脱装置が働き、自動浮揚して膨張、展開する。
- 救命いかだの自動離脱装置は一端を船体に取り付けておき、装置をペイントしてはいけない。
- 救命いかだで退船するときは、イパーブ、レーダートランスポンダー、双方向無線電話装置を持ち込む。
- 小型船舶用救命浮環は、航行中は船体に固縛せず、すぐに使用できるようにしておく。
- 信号紅炎は、使用時は自船の位置を遠方からでも確認できるように、風下に向けできるだけ高い位置で振りかざす。
- 小型船舶用自己点火灯は、夜間に救命浮環に連結して使用し、水中に落下すると自動的に発光する。
- 小型船舶用自己発煙信号は、昼間に救命浮環に連結して使用し、点火して水上に投下するとオレンジ色の煙を発する。
- 小型船舶用火せんは、救助船舶や航空機を確認したときに使用し、約100メートルの上空に打ち上げられて赤色星火を発する。
- イパーブは、衛星に向けて遭難信号を発信する救助用ブイで、水没すると自動的に離脱、浮上して信号を発信する。
第3課 気象・海象
3-1 気象予測
- 西高東低型は冬の代表的な気圧配置で、日本の西の大陸からシベリア高気圧が張り出し、日本の東に低気圧がある。
- 南高北低型は夏の代表的な気圧配置で、日本の北に低気圧があり、太平洋高気圧(小笠原高気圧)が西に張りだして日本を覆う。
- 梅雨型では、オホーツク海高気圧と太平洋高気圧の間に、梅雨前線と呼ばれる停滞前線が形成される。
- 日本海低気圧型は一年を通じて見られ、著しく発達するものは春先に多く、南よりの強風「春一番」を吹かせる。
- 寒冷前線は、通過前は南寄りの風で、通過後は北または西寄りの風になり、通過の際に突風を伴うことがある。
- 温暖前線の降雨域は寒冷前線より広く、通過するかなり前から降り出し、雨はしとしとと連続的に降る。
- 巻層雲は、太陽や月に暈をつくるうすくて白いベール状の雲で、温暖前線の接近を知らせる。
- 視程が1キロメートル未満の場合を霧と呼び、海上では500メートル以下の霧を濃霧と呼ぶ。
- 移流霧は、暖かく湿った空気が冷たい海面に移流したときに発生する霧で、海霧とも呼ばれ、海上で発生する代表的なものである。
- 有義波高とは、一定時間に観測される波のうち、高いほうから順に1/3の個数までの波を平均した波高である。
3-2 潮汐・海流・潮流
- 任意の港の潮時は標準港の潮時に改正数(潮時差)を加減し、潮高は標準港の潮高に改正数(潮高比)を乗じて求める。
- 任意の地点の転流時と最強時は標準地点の各時刻に潮時差を加減し、最強流速は流速比を乗じて求める。
- 親潮(千島海流)は東カムチャッカ海流を起源とする寒流で、流速は速くても1ノット程度である。
- 黒潮(日本海流)は北赤道海流を起源とする暖流で、流速は速いところでは4ノット以上に達する。
- 潮流の強い場所では流速が10ノットを超える所もあり、潮汐表等を利用して安全に航行できる時間帯を見計らって航行する。
- 代表的な潮流の強い場所は、津軽海峡、鳴門海峡、明石海峡、来島海峡、関門海峡、豊後水道である。
第4課 荒天航法及び海難防止
4-1 荒天航法・台風避航
- 向い波では、風浪を正船首から左右約30度で受けるように操縦する。
- 追い波では、船尾から追い波が大量に打ち込むプープダウンや、波に横倒しになるブローチングに十分注意する。
- 風浪が強く続航が困難な場合は、舵が効く程度の低速とし、風を船首30度位に受けて荒天をしのぐ。
- シーアンカーがあれば船首から投入し、その抵抗で船を風浪に立て、機関を中立にしてしのぐ。
- 避難港は、風・波・うねりの入らない港を選び、海面の広さが十分あるところを選ぶ。
- 北西太平洋又は南シナ海の熱帯低気圧で、最大風速がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを台風と呼ぶ。
- 台風の中心が自身の位置の西側から北側にかけて通過する場合、風向は「東→南→西」と時計回りに変化する。
- 台風が接近してきた場合、風を背に受け左正横前20〜30度の方向が台風の中心となる(ボイスバロットの法則)。
- 台風の進行方向に向かって右側の半円は、台風全体を移動させる風と中心に吹きこむ風とが合成されて風速が強くなる。
- 右半円を危険半円、左半円を可航半円と呼ぶことがあるが、中心の左側にいるから安心というわけではない。
4-2 海難事例及び海難防止
- プレジャーボートの事故隻数は毎年千隻前後で、船型別ではモーターボートが7割、水上オートバイ、ヨット、手漕ぎボートが各1割程度を占める。
- 海難種別では機関故障、運航阻害、衝突、乗揚げが多くを占め、次いで推進器障害、浸水、転覆などが続く。
- 事故原因は見張り不十分、機関取扱不良、船体機器整備不良が多くを占め、人為的な要因によるものがほとんどである。
- 中速で航行中に船首が上がって前方に死角が生じたのに、死角を補う見張りをせず、投錨して釣りをしている船に衝突した事例がある。
- 機帆走中のヨットが左前方の漁船を認め、自身が保持船であると判断して衝突を避ける動作を取らず、避航動作をとらなかった漁船に衝突した事例がある。
- 船外機のエンジンが突然停止した事例では、原因は緊急エンジン停止スイッチのコードが外れていただけであった。
- 投錨の際に前進状態であったため、プロペラにアンカーロープが絡んで航行不能となった事例がある。
- アンカーロープを船体に固定してエンジンを使って錨を揚げようとし、船を走らせた瞬間、横に引かれて転覆した事例がある。
- エンジンルームから出火した事例では、冷却水系統の循環不良で排気管が過熱して出火したことが原因であった。
ほかの章
出典
- 国土交通省「小型船舶の航行の安全に関する教則」(https://www.mlit.go.jp/common/001179926.pdf)
上記の内容をもとに、アプリ「船舶免許ウカール」の制作者が要点を抜き出して整理したものです。国土交通省・試験実施機関が作成・監修したものではありません。
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